住民による防災訓練寸劇。 臨場感あふれる、住民の皆さんが理解しやすい防災訓練をご提案します。

私が防災訓練寸劇を考えた理由

 更新日:2022年04月15日

 2011年の東日本大震災を契機に、自分の住んでいる団地でも災害時お互いに助け合える組織が必要ではないかと考え、団地の管理組合や地元自治会が何かそれなりの行動を行っていたり、仕組みなりがあるのかと確認してみたところ何も準備されていなかった。


 それではまことに心もとないと思い、たまたま妻が当時自治会の会長役を務めていたので、団地の管理組合にも声掛けしてボランティアの防災組織を立ち上げてもらった。


 幸い管理組合の役員の方もメンバーに入ってくれたので、必要経費の予算化もスムーズに進み活動を開始したが、防災に関しては全くの素人の集まりで、何から手を付けてよいのやらどんなことをやってゆけばよいのやら全くわからない状態からの出発だった。


 まずは必要と思われる役員を決め、会のルールが必要だろうと規約を決め、住民を巻き込んだ防災訓練が必要だろうということになったが、どんな訓練があるのか? どんな訓練ができるのか? よく分かっていなかった。


 最初のうちは消防署に相談して水消火器訓練、煙体験、心肺蘇生法訓練・AED使用訓練、はしご車での避難訓練などやってもらったが、果たしてこれだけの訓練で近い将来発生する確率が非常に高い東南海トラフ大地震や首都直下大地震などが起きた際、住民の皆さんから期待される動きができるのか、まことに心もとない思いが募った。


 そこで、地元で被害が一番大きいと思われる大地震が起きた場合を想定して、どのような被害が起きるかを考えてみたところ、下記のような防災・減災訓練が必要ではないかとの結論に至った。

 

  • 家庭内家具の転倒防止策提示
  • ガラス戸・窓への飛散防止フィルム貼付方法提示
  • 簡易トイレの作り方実施提示
  • 必要な備蓄食料の種類と分量提示
  • 必要な飲料水の分量と保管方法提示
  • 必要な防災・減災グッズの説明提示
  • 災害対策本部の立ち上げ・維持・解散方法の訓練
  • 隣近所協力しての被災者救出方法提示
  • 真っ暗闇での対処方法(街全体の停電を想定して)

 ただ、これらのことを文章にして住民に配布するだけでは読まない人も多いと思われ、何かもっとインパクトのある方法はないかと考えた。


幸いわが団地では春と秋の住民全戸が参加して美化デーと称して団地内の清掃を行いそのあと飲み物を配るイベントがあったので、その際住民が集まった段階で上記の方法を説明したり、一部防災組織のメンバーによる寸劇の形で披露すれば、メンバーの訓練にもなり、また住民の皆さんにとっては隣近所の方が行う寸劇なので、単なる文章の配布や口頭での説明より興味を持ってみていただけるのではないか?と考えた。


実際にわが団地でも下記のような防災・減災訓練、実施してみたところ、住民の反応も大変良かった。


この住民の反応が大変良かったこの方法を、是非ほかの団地やマンションでも実施される事をお勧めします。

 

  1. 災害対策本部立ち上げと初動訓練
  2. 暗闇体験と非常用照明器具の寝室での固定の重要性説明
  3. 災害対策本部立ち上げと近隣住民による救出訓練
  4. 転倒家具に挟まれた住民の救助と応急治療法解説 

地元の消防署の幹部との意見交換会で、これらの防災訓練寸劇の内容に間違いがないか相談したところ、専門家のできない形でのアピールの仕方であり、具体的で住民への訴求力が高いと絶賛頂いた。