防災組織は、防災資機材の保管、複数年にわたる訓練や知識の集積などが必要なので、管理組合や一年ごとに役員が変わる自治会とは別組織として立ち上げた方が良いでしょう。
ただし、運営は管理組合や自治会と一体となって行う事が望ましい(管理組合理事長や自治会長も副会長として参加するなど)。
その方が団地やマンションとして一丸となって活動していると住民に受け取ってもらえます。
一般的な組織論としては、下記の様な役割が考えられるが、被災直後に必要な係、しばらくしてから必要な係、被災2日目以降に必要な係などがあり、すべての係の担当者を事前に決めておく必要はありません。
一人の人が、時間の経過に合わせていろいろな係をこなすことができます。
ただ、防災組織のメンバーだけですべてを担当しようとしないで、被害の比較的少なかった住民の中からも協力者を募る方が良いでしょう。
*役員構成・係構成の一例です。
会長:会の代表であり、会を基本的な方針にそって運営する責任者。被災時団地・マンションにいれば災害対策本部長となる。
副会長:会長の補佐、会長に何かある際は代わりにその業務を行う。
会計:会の予算管理、出入金のコントロールを行う。
会計監査:会の予算消化が規則通りの行わているか監査する。
消 火 係 :本来は被災時団地・マンションで発生した火災の初期消火を担当す目的で任命されるものだが、実際の初期消火は出火住戸の住民及び隣近所の住民が助け合って行わなければ間に合わないので、通常時、各住戸での消火用具の設置・初期消火のやり方などの啓発活動に努める。
救出・救護係:本来は、被災時、団地・マンション内の被災住戸で被災者を救出及び応急処置を施す任務を持つが、通常時にも隣近所で救出しあう場合の手順及び応急処置の仕方などを住民に広く知ってもらう啓発活動を行う。
情 報 係 :被災時、災害対策本部設置後、団地・マンション内の被災状況をいち早く調べ、本部に報告する。災害対策本部が設置されたこと、助けが必要であれば申し出る事、安否確認用白布のベランダへの掲示・安否確認カードの玄関ドアへの掲示の呼びかけなど、住民に広く知らせる事項をスピーカーで通知する。
避難誘導係 :戸建て団地では一時避難場所や避難所へ移動する際の先導及び誘導を受け持つ。在宅避難が一般的なマンションではあまり必要性はない。
災害時要配慮者係:体の不自由な老人・身体障害者や乳幼児を抱えた家庭など、被災時手助けがいる住戸に対して日頃から声掛けを行い、被災時優先的に声掛・手助けを行う。
生 活 係 :通常時は、非常持ち出し品の準備や水・食料の7日間分の備蓄の啓発などを行い、被災時は必要な場合の炊き出し、避難所での支援物資受け取り・配布などを担当する。
衛 生 係 :被災時、上下水道の使用を禁止するが、その後の下水管の調査、生活ごみ・トイレゴミの自宅での保管の徹底、ごみ置き場のチェック、地方自治体のゴミ回収車の回収予定日確認などをおこなう。
がれき処理係:団地・マンション内で発生したがれきや被災住戸からのがれきなどの収集・保管を行う。
安全点検係 :被災後の団地・マンションの夜間・危険個所の巡回点検をおこなう。