住民による防災訓練寸劇。 臨場感あふれる、住民の皆さんが理解しやすい防災訓練をご提案します。

マンション高層階に住む場合の防災上の注意点(その1)

 更新日:2021年08月01日

 マンションの高層階に住む方のメリットとしては下記のようなことがあげられるかと思います。

  1.     高層マンションが建築されるのは、都心などの勤務地へのアクセスが良い地域が多いので、通勤時間が少なめですむ
  2.     高層マンションが建設される場所は、もともと商行施設などが充実しているか、マンション建設に合わせて商業施設などが充実される傾向がある
  3.     高層階からの眺望は格段によい
  4.     防災・防犯設備が整っている
  5.     共有空間の設備が整っている

半面、地震などの災害が起きた場合、

A.上層階ほど揺れが大きい
B.停電などになってエレベーターが止まった場合、上層階の住民は地上に降りてくるのが困難になる
C.D.E.F.
 ですので、高層階にお住まいの方は、普段十分なメリットを享受している分、万一の際の準備は十分にしておきましょう。

・まずは食料・水の備蓄を十分にしておきましょう。

 大災害時は、エレベーターの修理に数か月かかることもあるようです。
その間、階段の昇り降りで食料や飲料水の買い付けは並大抵ではできません。
全期間の為の備蓄は無理としても、冷蔵庫にあるもの、乾麺や乾燥パスタ類、インスタントラーメン、小麦粉など普段から準備してある主食用乾燥食材、乾燥野菜・乾燥海藻・乾燥果物などビタミン・ミネラルが補給できる保存食、副菜用缶詰、甘味食品の缶詰・あめ、普段からよく食べる嗜好品などを1か月分ほど多めに購入し、それをローリングストック法で順繰りで使用しましょう。
こうすると、防災食のように、賞味期限が切れたときに処理に困ることはありません。
 飲料水に関しても、普段から使っているミネラルウオーターや炭酸飲料など多めに購入し、残り在庫が1か月分を過ぎたら買い足しましょう。
 時には運動不足を解消するために、地上まで降りて少量の買い物をしてくるのもありですね。

それと、最も大切なのは、トイレをどうするかです。

マンションは、大きな地震の後は一旦トイレの使用は禁止されます。
排水パイプ・排水溝が使えるかどうかの確認ができても、建物全体が停電であればトイレは使えません。
バケツの水などでは汚物(大便)はうまく流せないようで、みんなが勝手に流すと排水溝が詰まってしまうようです。
電動式のトイレの場合も、停電になれば利用できません。
 市販の簡易トイレを人数分×回数分×二週間分(電気・水道が復旧すると思われる期間)確保するのは金額的に大変です。
そこで活躍するのがビニールのごみ袋です。
黒い不透明なごみ袋(45L)を人数分・回数分・二週間分、半透明のごみ袋(45L)を20枚ほど、においを通さない厚手のごみ袋を20枚ほど、凝固剤、消臭剤、古新聞を細切りしたもの、プラスチック製収納ボックス(70L?ベランダにおける大きさ)を準備し、自宅の便器に半透明なごみ袋を下に、その上に黒い不透明なごみ袋をかぶせ、大便をするたびにその上に凝固剤・消臭剤・細切りした古新聞をふりかけ、黒い不透明なごみ袋だけを取り出し、口を固く結び、ベランダなどに置いたプラスチック製収納ボックス(蓋つき)に保管することです。
それで汚物収集作業が開始されるまで、各家庭で便類(少なくとも大便)は保管しなければなりません。
 小便は、配水管が問題ないことが判明すればそのまま流しても大きな問題にはならないでしょう。
団地・マンション在住者は、普通在宅避難になりますので、トイレに関してはこのような準備が適しています。
特に高層マンション在住の場合は、いちいち1回まで降りて非常用トイレを使うわけにはいきませんので、なおさらこの方法をお勧めします。